たれみみの読書日和

読んだ本の紹介や日々をゆるりと綴っています📖*゜

『再婚生活 私のうつ闘病日記』山本文緒*もしも自分がうつになったらと考える

こんばんは。

今日は数日ぶりに寒さが戻り雪もちらついていました。

明日は最低気温は氷点下の模様。

まだまだ春は遠いです(;_;)

 

今日はこちらの本をご紹介します。

 

 

『再婚生活 私のうつ闘病日記』

著者:山本 文緒

出版社:角川文庫

発行年:2012年2月1日

 

山本文緒さんは、2021年10月に58歳という若さでこの世を去っておられます。

本当は、がんで余命宣告を受けてからも最期まで綴られたエッセイ『無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記』の方を読みたかったのですが、Kindle unlimitedで『再婚日記』が読めたので、先に手に取ってみました。

 

もともと山本さんの作品は、10年近く前に『プラナリア』はじめ『ブルーもしくはブルー』『絶対泣かない』『シュガーレス・ラヴ』『眠れるラプンツェル』を読んでいました。

どれも女性の心情描写がとても緻密で、恋愛における儚さや切なさも含め、痛々しいほど共感できて、スルスル読めた印象がありました。

今回、山本さんのエッセイを読むのは初めて。

 

『再婚生活』は2003~2006年の山本文緒さんの生活を綴った日記式エッセイ。

山本さんは、2003年にうつ病を患い、数回の入院生活と自宅療養を経験されました。

まえがきでは、“再婚とはどんな生活か”を書こうとしたら、結果的にうつ病闘病記になっていたと語られています。

このエッセイを書き始めた当時は40歳。書き終えたのは46歳。

その間の約5年間、本業である小説の執筆は手をつけることができなかったそうです。

とても長く苦しい闘病生活。

笑いも交えつつですが、日記式というだけあって、当時の様子が本当にありのまま綴られています。

 

もし自分や身近な人がうつ病になったら…

本書では、山本さん自身がうつ病の辛さと奮闘する姿はもちろんのこと、それを支える王子(ご主人さんの愛称)の様子も、山本さん目線で綴られています。

再婚当初は別居されていたお二人。

王子が大好きな山本さんですが、一緒にいると知らず知らずの間に気疲れしてしまう。

適度な距離感のもと、二人三脚で歩もうとするお二人。

でも山本さんの体調は不安定で、朝元気だと思っても夜には寝込んで動けないことも。

王子がたびたび山本さんのもとに来て、ご飯を作ってくれたり、片付けてくれたり、身の回りのお世話をしてくれます。

王子に頼ってばかりで、病状も一向に良くならないと焦る山本さん。

必死に介抱するも、先が見えない毎日に疲弊していく王子。

お互いにいっぱいいっぱいで、共倒れになる寸前だったのではないでしょうか。

山本さん夫婦に限らず、きっと病気や障害や高齢による介護・介抱が必要な方がいる家庭では、このような状況に置かれている方々がたくさんいらっしゃるのだろうな・・・と思いました。

もし自分がうつ病になって山本さんと同じような状況になったら。

夫が同じような状況になったら・・・。

そんなことをぐるぐると考えます。

 

自分を許す

今でこそ「うつ病」って誰もがなり得る珍しくない病気だと認知されているし、「無理せずゆっくり休んで治すことが最優先」と周りの理解も得られやすいとは思いますが、2003年当時はもう少し世間の目も違ったかもしれません。

小説の執筆を休むことにも、とても葛藤があったと思います。

心身ともに辛い中で日記を書くことは大変だったでしょうし、鬱々とした日々の綴られた日記を後から読み返すことも苦しかったでしょうし、それを世間に向けて発信することは並々ならぬ覚悟がいったのではないかと想像します。

私も今後年を重ねていけば、早かれ遅かれ老いなり病気なりで、自分の思うように身体が動かせなくなる日がやってくることは、避けて通れないのだと思います。

その時に、私は自分のことをありのまま受け止められるだろうか・・・・

今はまだ想像できませんが、山本さんにとっての王子の存在のように、寄り添ってくれる人が隣にいてくれることは、心の拠り所になるだろうと思います。

大切な人に受け止めてもらえることで、少しずつ自分で自分を許せるようになる気がします。

 

そして山本さんは、入院中も自宅療養中も常にたくさんの人との交流があって、人を引き寄せる力のある方だったんだなと思いました。

たくさんの人と会うことで気疲れもしてしまうし、療養中には逆効果な場合もあると思いますが、人とのつながりってやっぱり大きな支えなのだなとつくづく感じました。

 

闘病日記でありながらも、とても心地よく読ませてもらえた一冊でした。

読みやすいので、うつ病に悩まれている方に限らず、おすすめです(^^)

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ*今はどんなに辛くても、あなたの声を聴いてくれる人が必ずいる。

こんばんは。

今日は1日中雨で気分は晴れませんが、夫の出張(横浜)土産を食べて気分を上げております。

今日は最近読んだ小説をご紹介します。

 

 

『52ヘルツのクジラたち』

著者:町田 そのこ

出版社:中央公論新社

出版年:2020年4月25日

あらすじ

家族に自分の人生を搾取されてきた女性・貴瑚は、人生をやり直すために大分の海の近くにある田舎街に引っ越してきました。

そこで、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年に出会います。

自分の辛さと重ねながら少年に助けの手を差し出そうとする貴瑚。

孤独な人生を背負った二人が心を通わせることで生まれた、優しい光と再生の物語です。

 

世界で最も孤独なクジラ

こちらの作品は2021年本屋大賞を受賞しており、大人気の作品。

図書館では常に貸し出し中で、待ちに待ってようやく手元にやってきました。

町田そのこさんは『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』と『コンビニ兄弟』を読んだことがあり、好きな作家さんです。

書き出しの一文でグッと物語に引き込むのがうまい印象。

こちらの作品も例にもれず、書き出しの一文が秀逸でした。

「おやおや、一体どんなお話が始るの?」と引き込まれました。

 

表題の『52ヘルツのクジラ』についてですが、一般的なクジラは10~39ヘルツの周波数で鳴くのに対し、世界で一頭だけ52ヘルツという高さで鳴くクジラがいるそうです。

あまりに高音なため、どれだけ声をあげても、他のクジラたちにその声は聞こえない。

世界で最も孤独だといわれているクジラだそうです。

なんだかそのエピソードを聞くだけで切なくなりますね。

この物語では52ヘルツのくじら”たち”というのがミソです。

 

苦しみを抱えるすべての人へ

この物語の全体の雰囲気としては、決して明るくはありません。

貴瑚と少年の置かれてきた境遇は凄まじく苦しいですし、その辛さを思うだけで涙が出てきます。

話の展開の中で、何度も何度も、心揺さぶられます。

ですがその中でも、二人を救い出そうとする人物たちの優しさや、少年の少しずつの変化、二人の心の通い合いは温かく、そしてラストは一筋の光が見えるような、希望をもって読み終えることができました。

著者が、苦しみを抱えるすべての人に届けたい一心で書き上げたことを強く感じ、私自身もすべての人に届いてほしいと祈るような気持ちになりました。

 

聞こえない声に耳を澄ませてみる

人は、人と交わることで傷つきもするし、苦しみも絶望も味わう。

でもそこから救い出してくれるのはやはり人との交わり。

それによって癒されもするし、生きる希望も感じられる。

辛さと戦うのは自分自身だけれど、誰かがそばにいてくれることが立ち向かう勇気になる。

人は、ひとりでは、そして自分のためだけには頑張れないんだと思います。

だから人と寄り添い、人を育む道を選ぶのでしょう。

 

わたしは、どうだろうか。

誰かの声を聴き、誰かに声を届けることができているだろうか。

きっと今この瞬間も、孤独と戦う人々が世界中に数多くいる。

そのことに思いを馳せながら、たとえ周波数の違う声であったとしても、耳を傾けられる人でありたい。

 

まずは、自分自身の声に耳を澄ませてみよう。

そして、隣にいる大切な人の声に耳を澄ませる努力をしよう。

 

とっておきの甘いものを食べるために手軽な甘いものを控える

おはようございます。

今日は先日読んだ『わるい食べもの』にちなんで、食べもののお話を。

 

止められない甘いもの食べたい欲

もともと甘いものが大好きな私。

仕事などのストレスや生理の時期が重なると、お菓子がついつい止まらなくなります。

だいたいは、仕事帰りにコンビニやドラッグストア、スーパーに立ち寄り、数百円分のお菓子を買って、車を運転しながら一気に食べてしまいます。(危ない)

ダイエットや節約のスイッチが入っている期間は、少し控えめになるのですが、それも一時のお祭りのようなもので、時期が過ぎればまた食べてしまう毎日に逆戻り。

我慢していた反動で、余計に食べる量が増える。

「我慢してストレスを溜めるのはよくないよね~」と自分を甘やかしながら。

コンビニなどで手軽に買える甘いものたちは、食べると一時的に脳は満たされるのですが、たくさん食べ終えた頃には罪悪感と虚無感。

せっかくお金も時間も費やして身体を肥やしているのに、あまりにも悲しい。

そこで最近、自分には甘いものを一切断つことは難しいと諦め、開き直ることにしました。

平日にコンビニやスーパーなどでお菓子を買ってドカ食いするのを止めて、お休みの日に、ちゃんとしたお店(カフェやケーキ屋さんや専門店など)で手作りのスイーツを食べることにしようと。

ちょっと特別な、とっておきのスイーツを食べるために、日々の手軽なお菓子を控える。

どちらにしても食べるなら、心が満たされる食べ方を。

手作りの物の方が食材もちゃんとしているし、身体にもいいはず。

 

ご褒美のケーキ


今週は1週間お菓子を我慢できたので、(と言っても冷凍庫に入ってるファミリーパックのアイスは食べた)金曜日はご褒美にケーキを買ってきました。

チョコレートケーキとピスタチオのムース。

夫と一緒においしくいただきました。

やっぱり、一人で車を運転しながらお菓子を貪る時とは、満足感が違う。

 

優雅な一人ランチタイム

2日間夫が出張で不在なので、昨日は久しぶりに一人でランチに行ってきました。

ずっと気になっていたカフェです。

京都ポーク蒸ししゃぶせいろセットを注文。

お野菜たっぷりでお肉もやわらかくておいしかった。

店員さんが「デザートもいかがですか~」とニコニコしてメニューを持ってきてくれて、すかさずスコーンサンドパフェを注文。

すごいボリューム。

スコーンはさくさくというよりふわふわ。

紅茶のゼリーが美味しかったです。

ここのお店はセットに紅茶(ムレスナティー)がついていて、カップが空になると店員さんが紅茶を注いでくれます。

・アーモンドチョコレート

・7色のバラ

ジャスミンアールグレイ

・ライチとマンゴー

いろんな種類の紅茶を注いでくれました。

おかげでお腹がちゃぽちゃぽ。

お店が賑わっていたので長居はしませんでしたが、読書しながら優雅なランチタイムでした。

 

お散歩、再開

秋にハマっていたお散歩。

1か月程は続いたのですが、寒くなってからどうも外に出る気になれず、継続できていませんでした。

しかし、寒さが少しマシになってきたようなので、そろそろ再開したい。

形から入るタイプなのと、健康増進のための買い物には会社から一部補助が出るということで、新しいスニーカーを買いました。

さっそく昨日は食べた分、夜にお散歩しました。

甘いものを食べることに罪悪感を感じないよう、しっかり運動もしよう。

 

『わるい食べもの』千早茜*食に現れるその人の生き方

2月。だいぶ投稿が空いてしまいました。

相変わらず毎日読書を楽しんでいます。

読んでも読んでも新しく読みたい本が出てくるので、「読みたい本リスト」が増え続けて追いつきません。

幸せなことですね。

 

今日は、最近読んだ本を紹介します。

 

 

 

『わるい食べもの』

著者:千早 茜

出版社:株式会社集英社

発行年:2018年12月10日

amazonで貼り付けたのは文庫本バージョンです

 

「食」はその人の生き方を反映する

千早茜さんの食にまつわるエッセイです。

以前ほんタメで紹介されたのを見てから、ずっと気になっていた本。

「しろがねの葉」で第168回直木賞を受賞されて、今とても注目されていることもあり、今回はこちらを手に取りました。

 

まず、装画が可愛いです。挿絵も同じ方が描かれてます。

千早さんのTwitterプロフィール画像にも同じ方の絵が使われていたので、千早さん自身もお気に入りなのでしょうか。

Twitterを拝見していると、食べることが本当にお好きのようで

日々食べられているおいしそうなものたちの写真がたくさん。

中国茶がお好きだそうで、素敵なティータイムもたくさん載っていました。

 

エッセイのほうでは、好きな食べもののことはもちろん、子供のころの食にまつわるトラウマ体験や食を通じた周りの方々との交流なども書かれています。

「食」ってその人の人生なんですね。

わりと好き嫌いがはっきりしている方のようで、読んでいて爽快です。

キレッキレに毒づく文章もあっておもしろい。

 

食への探求心と貪欲さからくるこだわり

私自身が食べること大好きなので、たくさんの食の描写にわくわくしながら読みました。

ですが、びっくりしたのは千早さんの食への探求心。

 

好物を伝えるのは難しい。好物であればあるほどこだわりが発揮されてしまうからだ。

好きすぎるゆえに、ちょっとしたアレンジに「なんてことしやがる」と憤りを覚え、「○○はこうでなくてはならん!」と偏屈爺みたいになっていく。

 

たとえば果物を食べるという行為は、皮を剥くところからはじまるそうです。

皮を剥く時にあふれる香りを楽しみながら自分の手を汚しながら食べる。

すでに他人の手によって剥かれ、切られ、時間が経過したものは果物ではなく「死体」だと称されています。

 

考えてみると、私は甘いもの大好き、揚げ物大好き、なんでおいしいものって身体に悪いんだろう・・・と常々考えているのですが、千早さんほど食のこだわりはなかったです。

甘いものならわりと何でも好き。コンビニスイーツもホテルのアフタヌーンティーも駄菓子屋のお菓子もおいしいと感じてしまう。(もちろんスナック菓子も好き)

多少の好みはあれど、それを「○○はこうでなきゃ」と言語できるほどのこだわりはありません。

 

でも読んでいて、自分の「食べたい欲求」と丁寧に向き合うって大切だなと思いました。自分はほんとうは何を求めているのか、どうすれば自分は満たされるのか。

それがわからないまま、なんとなくの気分で食べものを口に運んでいることが多いなと気づかされました。

 

 

記録にのこして記憶にきざむ

そして、久々にブログを更新しようと思ったのも、このエッセイを読んだからです。

自分の体験や記憶を綴って、それを第三者が読んで笑ったり、心打たれたりできるってすごいなぁと思ったのです。

その方の自分史がそのまま作品になるということ。

私は千早さんのようにおもしろい文章は書けませんが、日々の体験や記憶を残しておく、ということは、自分のためにも必要なことだと感じました。

 

日記にはよく食べたものを書く。なにを見て、なにを食べ、なにを思ったか。その日、確かに存在している自分を記録しておく。味覚も感覚も変わっていってしまうから。

どんな小さなことも忘れたくないし、なかったことにしたくない。無理だとは知っていても。

小説家という仕事も似たようなところがある。今、自分が見て、感じている世界を物語のかたちに変えて残しておこうとする。

今日もやかんに火をかけて、マグカップにはちみつ漬けのレモンを一枚落とす。湯をそそいで、パソコンの前に座る。

甘酸っぱいレモンの香りが頭をすっきりさせていく。深呼吸をひとつ。

とりこぼさないように、できるだけ正確な言葉をさがして、ゆっくりと物語をつむぐ。

 

1日1日を丁寧に過ごすとは、こういうことなのかもしれない。

できるかぎりで、私も日々を綴っていこう。

夫の誕生日祝いと健康への感謝♪

おはようございます。

最近は早起きです。

朝5時に猫の朝ご飯が自動で出てくるよう設定しているのですが、

その音で起きます。カラカラカラ・・・🐈

 

誕生日おめでとう

昨日は夫の誕生日をお祝いしました。

近年はもっぱらホームパーティーです☆*゜

 

 

照り焼きチキンピザ

ミートソースパスタ

サラダ

オニオンスープ(映ってませんが)

フルーツタルト

 

いつも、チョコペンで書くのを失敗します・・・

 

フルーツタルトは山本ゆりさんのレシピ本のもの。

タルト生地作り⇒アーモンドクリーム作り⇒カスタードクリーム作り⇒フルーツのせ

と手間はかかりますが、美味しいのでいつもこれです。

 

 

 

ブログにも掲載されています。

たぶんこちら。計量はレシピ本と若干違いますがほぼ一緒。

 

 

リッチな外食もいいですが、おうちごはんは、何を作るか考えて、食材を買い込んで、下ごしらえして・・・と手間暇かける感じが、いいですよね。自己満足かもしれませんが。喜んでもらえるとより一層うれしいです。

 

 

健康への感謝と今しかできない体験を

プレゼントはこちらにしました。

 

 

 

体験型ギフトです。中でも、二人で体験できるものにしました。

最近夫は”物”よりも”体験”に時間やお金をかけたいようで。

私も、その考えには共感です。

 

仕事柄、様々な障害を抱えた方との出会いがあるのですが、生まれつきの障害の方もいれば、事故や病気で中途障害になられた方も数多くいらっしゃいます。

今まで当たり前のようにできていたことが、ある日突然できなくなってしまう・・・というのは、想像してみるだけでも、とても辛いですよね。もちろん、そんな中でもできることはたくさんあるのですが・・・

今、自分も夫も、そして愛猫も、健康で何不自由ない生活ができることは、当たり前ではないということを、しみじみ感じます。

 

こうして夫の誕生日をお祝いするのも7回目。

一緒に過ごせることに感謝です。

今できること、やってみたいことは、どんどん叶えていきたいです(^^♪

 

マイブームは散歩

夕方は、散歩に出ました。

最近仕事終わりの平日も、30分ほど散歩しています。

昨日は休日だったので、少し足を延ばして1時間ほど行ってきました。

目的地は本屋さん。

 

途中でコスモスが目に留まり、思わず撮影。

ふんわりとした気持ちになります。

 

来た道を振り返ると、なんとまあ綺麗な空。

 

散歩を始めたきっかけは、職場の方の影響。

いつもお昼休憩が一緒になる職員さん(おそらく50代くらい)が、毎朝1時間散歩しているというのを聞いて。

もともとはワンちゃんの散歩のために始めたそうですが、昨年ワンちゃんを見送られてからも日課になっているそうです。

いつも元気はつらつな方なので、元気の秘訣はこれか!と思い、私も朝1時間は無理ですが、夕方30分ならできるかも・・・と始めています。

”人間は3週間続けると習慣になる”と聞いたことがあるので、まずは3週間続けてみよう。

 

以上、今日は本とは関係ない雑記でした♪

 

『強運の持ち主』瀬尾まいこ*道しるべを頼りに自分らしく進んでいけばきっと大丈夫

おはようございます。

今日は朝からブログを書いています。

朝晩だいぶ冷えるようになりましたね。

先週末、うちの猫も風邪をひいたのか、くしゃみを頻回にしていました。

たまたま通院日だったので診てもらったのですが、心臓の音には異状なし。

安心しました(*´ω`*)

 

今日は、大好きな瀬尾まいこさんの一冊をご紹介します。

 

 

『強運の持ち主』

著者:瀬尾 まいこ

出版社:白幡光明

発行年:2006年5月15日

 

あらすじ

短大を卒業し、営業の仕事をしていた《吉田幸子》は、上司との折り合いが悪く半年で仕事を辞めてしまいました。

人間関係のいざこざにうんざりした《幸子》は、ある日、《ジュリエ数術研究所》の「わずらわしい人間関係なし」という求人広告が目に留まります。

占い師《ルイーズ吉田》として働きだした《幸子》。最初は何冊かの占いの本を駆使して、真面目に占っていましたが、しだいに面倒になり、お客さんの雰囲気に合わせて自分の直感で占うようになります。

不思議とそれが功を奏し、そのうちに《ルイーズ吉田》の占いは当たると評判になります。数年後には独り立ちし、ショッピングセンターの一角を借りて占うようになりました。

そこにやってくるお客さんたちとの出会いから、《幸子》の人生に少しずつ変化がやってきて―。

 

ズボラで適当な占い師、だけど根は真面目

読み出したとき、幸子のズボラな占いの数々に“こんな適当に占って1回3000円も取るなんてぼったくり”というのが正直な感想でした。

もともと”占い師ってなんだか怪しいし、本当に当たるとは思えないし、お金の無駄遣い”と思っていただけに”ほら、やっぱり!”と思いました(笑)

 

ですがなぜでしょう。

この幸子、本当に普通な感じで、すごく親近感が沸くんです。

確かに占いは適当ですが、中には占っても事態が好転しないお客もいて(まあ適当に占ってるので当然ですが)、それを上司や恋人にまで真剣に相談するんですね。適当だけど、根は真面目なんです。

幸子に励まされたお客さんたちは、少しずつ自分で人生の選択をしていきます。

 

何があっても慌てない不変さと、包み込む力が欲しい

幸子は《通彦》という恋人と同棲しています。

この通彦がいい味出してる!

マイペースで淡々と幸子の相談に乗ったり、料理を作ったり。時にクリスマスプレゼント忘れちゃったり抜けているところもあるけれど、慌てない。幸子が不安になっている場面でも、何かを悟って堂々としています。

この通彦の不変さと包み込む力が、幸子の日々の原動力なんだと思います。

どんなときも変わらず自分を認めてくれる。愛してくれる、何があっても大丈夫だと思わせてくれる。だから日々がんばれる。

私は、その時々の感情にすぐに左右されてしまうので、通彦みたいな人になりたいです。夫にとってそういう存在になれるといいな。

私の当面の目標は、通彦ですね(笑)

 

自分らしい人生の選択を

この本のテーマはきっと、いろんなものを頼りながら、自分で自分の人生の選択をしていくことの大切さなのかなと思います。

占いは一つの道しるべ。

 

ルイーズの上司は

「結局適当なことを言って、来た人の背中を押してあげるのが仕事なのよ」

といかさまのようなことをいかした感じに言いますが、そういうこと。

 

人生は、小さな選択の積み重ね。ときに、自分では決断しきれないような、深刻な選択を迫られることもあります。

でも何かに迷ってるときって、きっと自分の中ですでに答えは持っていると思うんです。決断する自信や勇気が持てないだけ。

だから自分の選択を後押ししてくれる存在がいてくれることで、決断する勇気が出る。自信をもって進んでいくことができるのだと思います。

 

私も、日々迷うことばかりで、ときには途方にくれますが・・・身近な人を上手に頼って試行錯誤しながら、コツコツと、自分らしい人生を歩んでいきたい。そう思わせてくれた一冊でした。

 

元気がないときや癒しが欲しい時にぜひおすすめです(^^♪

『ツバキ文具店』小川糸*やっぱ手紙っていいな!大切な人に想いを込めて

今日から10月!涼しく過ごしやすい季節となりましたね。

今年の読書の秋も、たくさんの素敵な本と出会いたいものです☺

 

さて、今日は『ツバキ文具店』をご紹介します。

小川糸さんの作品を読むのは、食堂かたつむり、ライオンのおやつに続いて3作品目になります。

ほっこりと心温まる小川糸さんらしい作風で、この作品も大好きになりました♡

 

 

『ツバキ文具店』

 

著者:小川 糸

出版社:幻冬舎

発行年:2016年4月20日

 

あらすじ

舞台は鎌倉。《鳩子(愛称:ポッポちゃん)》は、先代であり亡き祖母《カシ子》から受け継がれたツバキ文具店で代書屋を営んでいます。

ツバキ文具店には、様々な事情を抱えた依頼主がやってきます。

依頼主の気持ちをじっくり聞き、ひとつひとつ心を込めて手紙を代書する鳩子。

依頼主やご近所さんたちとのあたたかな出会いを通じて心を和ませながら、祖母との関係を振り返り、自分の素直な気持ちと向き合っていく物語。

 

『気持ちを伝える』ということ

この作品を読んで初めて“代書屋”というお仕事を知りました。

今まで私は「手紙って自分で自分の気持ちを綴るから意味があるし、もらった側も嬉しいんじゃないの?」と考えていました。

でもそれって私の思い込みだったなぁと、この本を読んで感じました。

鳩子は、依頼主の気持ちをしっかり聞き取り、どんな文章で表現すれば相手に正確に伝わるのか、一緒になって悩みながら考えます。

加えて、依頼主の雰囲気や手紙の目的、内容、受取人との関係性等に合わせて、便箋の色や素材、筆の種類やインクの色、筆跡、切手の柄に至るまで念入りに選んだ上で、書き上げます。

そうすることで、相手の心にもしっかり届く手紙が出来上がるんです。

自分では上手く言葉にできないけど、何とかして気持ちを伝えたいとき。

書き方に悩んだ挙句『書かない』という選択をするよりも、誰かの力を借りたとしても、手紙を届けられた方が、きっと相手には喜ばれますよね。

送り主の『伝えたい』という気持ちそのものが大切なんだなぁと思いました。

そして『気持ちを伝えたい』『手紙を書きたい』相手がいることって、すごく幸せなことなんだなぁとも気づかされました。

 

ほっこりするキャラクターたち 

お話にはたくさんのユニークなキャラクターが出てきます。

年配だけど恋愛を楽しんで生きる鳩子のお隣さんで一番のお友達《バーバラ婦人》

バーバラ婦人のお友達でいつも明るくパンを焼くのが上手な《パンティ》

いつも着物姿でぶっきらぼうでせっかちだけど実は優しい《男爵》

鳩子の文通相手でお父さんが切り盛りするカフェを手伝う5歳の女の子《QPちゃん》

それぞれのキャラクターとのやりとりがとても微笑ましくてほっこりします。

私は特にバーバラ婦人が好きです。

あのね、心の中で、キラキラ、って言うの。目を閉じて、キラキラ、キラキラ、ってそれだけでいいの。そうするとね、心の暗闇にどんどん星が増えて、きれいな星空が広がるの。簡単でしょ?

ポッポちゃんのおかげで、今日もまた特別な一日になってきたわ。ありがとう。

少女のように素直な言葉に癒されました。

バーバラ婦人がお隣さんだったら、楽しそう。

彼女のように、いくつになっても、毎日をとびきり楽しく生きられるような心掛けができる女性になりたいです。

 

大切な人へ想いを込めて

作中で、鳩子は祖母との関係を振り返ります。

子どものころから厳しく育てられた鳩子にとって、祖母は反発の対象でした。

でも、物語が進むにつれて、祖母の本当の気持ちに触れることになり、自分が祖母に対して抱いていた気持ちを再確認します。

手紙って、遠く離れた人には出すけれど、近くにいる人にはなかなか書きませんよね。

近ければ近いほど、自分の気持ちを素直に伝えるのは難しいもの。

家族となると、余計にそうだと思います。

だから鳩子の気持ちを想うと切ないけれど、とても共感しましたし、近い存在だからといって、相手のことをわかったつもりになってはいけない、自分の気持ちをわかってくれているはずだなんて思ってはいけない、と改めて感じました。

遠くにいる人にも、近くにいる人にも、大切な人へ想いを込めて、手紙を書きたくなりました。

 

何度も読み返したい、大満足の一冊。

そしてなんとこの本、かわいい鎌倉案内図まで載っているので、ガイドブックにもなってしまいます!

この本を片手に鎌倉を旅する日がやってくるといいなぁ♪