たれみみの読書日和

読んだ本の紹介や日々をゆるりと綴っています📖*゜

『ギフト』原田マハ*たった5ページで心温まるひだまりのような短編集

おはようございます。

今日もまだまだ冷えますね。

こたつでグリーンジャスミンティーを飲みながらぬくぬくして書いています。

今日はこちらの本を紹介します。

 

『ギフト』

著者:原田 マハ

発行年:2009年7月11日

出版社:株式会社イースト・プレス

 

 

全体で84ページの短編集です。

収録されているのは20編の物語。

1つの物語が5ページほどなので、合間に少しずつ読めるのがいいです。

私は仕事のお昼休みに読みました。

どのお話も主人公は女性で、仕事で忙しかったり、恋人と上手くいっていなかったり、浮かない日々の中での“ちょっとした贈り物”が描かれています。

恋人から、親から、友達から、上司から。

何気ない景色の中から。

そして自分から自分へ。

贈り物は様々ですが、届いたことを見届けた時にはひだまりに包まれるような、明日が少し楽しみになるような、ほわんとした温かな気持ちを味わえるような物語ばかりです。

たった5ページでそんな気持ちにさせてくれるってすごいですよね。

 

ちなみにやわらかな装画と挿画もすごく素敵で、描かれているのは尾柳佳枝さん。

くぼたのぞみ著『山羊と水葬』、乗代雄介著『旅する練習』、山崎ナオコーラ著『リボンの男』などの装画も描かれているそうです。

 

贈る相手がいることへの感謝

贈り物って、何かの記念日やお祝いに送ることが多いですよね。

学生のころは数人の友達の誕生日を把握していて、お互いにプレゼントを贈り合うことがしばしばありました。

恒例行事みたいなもんでした。

大人になった今もその関係が続いている友達はごくわずか。

というか親友一人だけです(笑)

あとは友達の結婚・出産祝いとか、夫へのプレゼントとか、お土産とか、その程度ですね。

贈り物をする機会って、ぐんと減りました。

だからなのか、贈り物を選ぶとき、その人との関係性について改めて考えます。

ああ、プレゼントを贈る相手がいるってありがたいな。

おばあちゃんになってもこの関係が続くといいな。

と、しみじみ感謝が沸いてきます。

 

愛おしい愛猫

私にとっての印象的な贈り物って何だろうと考えると、真っ先に浮かんだのは愛猫の存在です。

結婚した年にお迎えして、夫婦で溺愛している、3歳のペルシャ猫。男の子です。

この子との出会いは、勝手に運命的なものを感じています。

最初から迎え入れるつもりではなかったのですが、いろいろあって、結果的にわが家へやってきてくれました。

子のない夫婦にとって、本当の息子のような存在です。

この子がいることで、救われる思いになることが本当にたくさんある。

いない生活はもう考えられません。

まだ3歳なのに「○○くんがいなくなったらどうしたらいいの・・・」と夫婦で真剣に心配したりしています。

愛おしくてたまらない。

決して”物”ではないけど、私たちへの”おくりもの”だなと感じます。

 

そんな、自分にとっての『ギフト』についてもしみじみ思いを馳せることができる。

温かな気持ちに包まれたいときに、ぜひおすすめです(*^^*)